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ドロップキャッチとは?ドメインの仕組み・バックオーダーとの違い・対策

公開日 最終更新日

ドロップキャッチとは?ドメインの仕組み・バックオーダーとの違い・対策

ドロップキャッチとは、持ち主が更新しなかったために削除されたドメインを、誰でも登録できる状態に戻った瞬間を狙って登録することです。
削除の時期を見計らって自分で登録を試みるのがドロップキャッチ、狙うドメインを先に申し込んでおき、サービス側に登録を試みてもらうのがバックオーダーです。
この記事では、ドメインが削除されて登録できるようになるまでの流れ(.jp と .com などの gTLD)、バックオーダーとの違い、ドロップキャッチで取得する側のリスク、自分のドメインを取られないための対策を解説します。

ドロップキャッチとは?

持ち主が更新しない、削除される、誰でも登録できる状態に戻る、その瞬間に第三者が登録する、という流れと、ドロップキャッチで狙われる理由(ほかのサイトからのリンクが残っている、アクセスが見込める、検索エンジンの評価の情報が残っている)を示した図

JPNIC の用語解説によると、ドロップキャッチ(drop catch)は、更新されずに手放されたドメインが、再び登録できるようになる瞬間を狙って登録しようとする行為です。
ドメインは、有効期限までに更新しなければ、一定の期間を経て削除(.jp では「廃止」)され、また誰でも登録できる状態に戻ります。その時点で最初に登録した人が、新しい持ち主になります。

一度使われていたドメインが狙われるのは、使われていなかったドメインにはない価値が残っていることがあるためです。

  • ほかのサイトからのリンク:過去のサイトに向けて張られたリンク(被リンク・バックリンク)は、持ち主が変わっても残っていることがあります
  • アクセス:リンクやブックマークから、引き続き訪問者が来ることがあります。JPNIC は、そこに置いた広告などから利益を得られる可能性があることを、ドロップキャッチが行われる理由に挙げています
  • 検索エンジンの評価に関する情報:JPRS のドメイン名の廃止に関する注意では、廃止したドメインでも、リンクや検索エンジンの評価に関する情報は残るため、アクセスが見込めると説明しています

JPNIC によると、ドロップキャッチは業者や個人によって年々激しくなっており、高速な回線を用意したり、登録を自動で試みたりする方法が使われています。
こうして期限切れの後に登録されたドメインは、中古ドメインとして新しいサイトに使われたり、販売されたりします。中古ドメインは、期限切れドメイン・オールドドメインとも呼ばれます。

ドメインが削除されて登録できるようになるまでの流れ

.comなどのgTLDは、有効期限が切れた後、レジストラの猶予期間、削除、30日間の請戻猶予期間、5日間の削除待ちを経て誰でも登録できるようになり、.jpは廃止の後、汎用JP・都道府県型JPは1か月、属性型・地域型JPは6か月を経て登録できるようになることを比べた図。期間はTLD・種別・レジストラで違う

新人ラッコ
期限が切れたら、すぐにだれでも登録できるようになるんですか?
ラッコ先輩
すぐではないんだ。猶予期間などを経てから戻るよ。流れと期間は TLD やレジストラで違うんだ。

ドメインが削除されて再び登録できるようになるまでの流れと期間は、TLD(.com ・ .jp などドメインの末尾)や種別、登録を取り次ぐレジストラ(登録事業者)によって違います。ここでは公式の説明で確かめられる範囲で、代表的な流れを紹介します。

.com などの gTLD

.com ・ .net などの gTLD では、ICANN の「期限切れの登録の回復に関するポリシー(ERRP)」が、期限の前後の扱いの最低限のルールを決めています。

段階内容
有効期限の前レジストラは、期限の約1か月前と約1週間前に、登録者へ更新の案内を送ります
有効期限の後レジストラがすぐに削除しない場合、更新できる猶予期間(1〜45日)を設けることがあります。期限が切れたことに気づけるよう、一定の期間はドメインが使えなく(名前解決が止まる)なります
削除の後レジストリ(一部の gTLD を除く)が30日間の請戻猶予期間(Redemption Grace Period)を設け、この間は元の登録者が取り戻せます
削除待ち請戻猶予期間の後、5日間の削除待ち(pendingDelete)を経てデータベースから消えます
登録できる先着順で、誰でも新しく登録できる状態に戻ります

各段階の状態の名前は、ICANN の EPP Status Codes(英語)で説明されています。ドロップキャッチが行われるのは、最後の「誰でも登録できる」状態に戻る瞬間です。
ただし、ICANN の登録者向けの解説(英語)によると、更新されなかったドメインをレジストラが削除せず、第三者へオークションで売る場合もあります。この場合、ドメインは削除されないので、ドロップキャッチの対象にはなりません。

.jp(JP ドメイン名)

JP ドメイン名の状態の移り変わりは、.jp を管理するJPRS のライフサイクルのページで公開されています。

  • 汎用 JP ドメイン名(example.jp の形)は、登録した日の1年後の月末が有効期限で、それまでに廃止されなければ1年ごとに自動で更新される仕組みです。更新されず廃止されたドメインは、一定の期間を過ぎるとデータベースから消え、再び登録できるようになります
  • 廃止されてから再び登録できるようになるまでの期間は、汎用 JP ・都道府県型 JP ドメイン名で1か月、属性型(.co.jp など)・地域型 JP ドメイン名で6か月とされています
  • 廃止の後の短い期間は、元の登録者が登録を回復する手続きができます

いずれの TLD でも、実際にいつ更新の手続きが締め切られるか、いつ削除されるかは、利用しているレジストラ(.jp では指定事業者)によって違います。自分のドメインの扱いは、登録しているレジストラの案内で確かめてください。

ドロップキャッチとバックオーダーの違い

ドロップキャッチは削除される時期を見計らって自分で登録を試みる方法、バックオーダーは狙うドメインを先に申し込み、削除されたときにサービス側が登録を試みる方法であることを比べた図。どちらも取れるとは限らない

新人ラッコ
ドロップキャッチとバックオーダーは、同じものですか?
ラッコ先輩
同じ意味で使われることもあるけど、自分で試みるか、サービスに任せるかが違うんだ。

「ドロップキャッチ」と「バックオーダー」は同じ意味で使われることもありますが、分けると次のようになります。

ドロップキャッチ(自分で)バックオーダー
何か削除されたドメインを登録する行為そのもの登録したいドメインを予約しておき、代わりに登録を試みてもらうサービス
誰が登録を試みるか自分サービスの運営者(レジストラなど)
何をするか削除される時期を調べ、その時点で登録を試みる狙うドメインを先に申し込んでおく
費用登録の費用登録の費用に加え、サービスの利用料がかかることがある
取れないときほかの人が先に登録すれば取れない取れなかったときの料金の扱いや、申し込みが重なったときの決め方はサービスによって違う

前の節のとおり、ドメインが登録できる状態に戻るのは一瞬で、そこで最初に登録できた人が持ち主になります。人気のあるドメインほど多くの人や業者が同時に狙うため、手作業で登録を試みても取れるとは限りません。バックオーダーは、この登録の試みをサービス側に任せる方法です。
申し込む前に、料金がかかるのはいつか(申し込んだときか、取れたときか)、取れなかったときに返金されるか、申し込みが重なったときにどう決めるか(抽選・オークションなど)を確かめておきましょう。

ドロップキャッチは、中古ドメインを手に入れる方法の一つです。

ドロップキャッチで中古ドメインを取得するときのリスク

ドロップキャッチで取得するときの4つのリスク:取れるとは限らない、探すのも調べるのも自分、過去にスパムなどに使われた履歴が残っていることがある、使い方によってはGoogleのポリシーや商標の問題になる

新人ラッコ
新しく登録するのと同じくらいの費用で取れるなら、得ですよね?
ラッコ先輩
取れるとは限らないし、探すのも調べるのも自分なんだ。過去の履歴が残っていることもあるよ。

ドロップキャッチは、ほかに狙う人がいなければ、新しく登録するときと同じ程度の費用でドメインを手に入れられることがあります。一方で、取得する側には次のようなリスクがあります。

リスク内容
取れるとは限らない同じドメインを狙う人がいれば、先に登録された時点で終わります。削除されず、レジストラのオークションに回ることもあります
探すのも調べるのも自分どのドメインがいつ削除されるかを探すことも、被リンクや過去の使われ方を調べることも、すべて自分で行います
過去の履歴が残っている過去にスパム・アダルト・外国語のスパムサイトなどに使われていたドメインは、評価の低い状態が残っていることがあります。被リンクが多く見えても、効果が残っているとは限りません
使い方によっては問題になる検索順位を操作する目的での使い方は Google のポリシーに、他人の商標などに似たドメインの不正な使用は法律や紛争処理のルールに触れることがあります

Google のスパムに関するポリシーでは、期限切れのドメインを購入し、利用者にとって価値の低いコンテンツを載せて主に検索順位を操作する目的で使うことを「期限切れドメインの不正使用」として禁じています。一方で、古いドメイン名を、人の役に立つことを第一に作った新しいオリジナルのサイトに使うことは問題ないとも説明しています。問題になるのは取得の方法ではなく使い方です。

中古ドメインのご利用にあたって

中古ドメインの利用は検索順位の上昇を保証するものではありません。また、検索順位の操作のみを目的とした利用(過剰な相互リンク網・無関係なサイトへのリダイレクト等)は、Googleのスパムに関するポリシー(リンクスパム/期限切れドメインの不正使用)に該当し、手動による対策(ペナルティ)を受ける可能性があります。過去の運用内容と関連性のある、利用者にとって価値のあるサイト運営を推奨します。中古ドメインのリスクについて

ドロップキャッチで取得を狙うときは、申し込む前に、そのドメインの過去の使われ方と被リンクを調べておくことが大切です。当サイトの無料ツールでも、WayBack運用歴チェックツールで過去の運営内容を確かめられます。

削除の時期を追いかけたり、一つずつ調べたりする手間を省きたい場合は、中古ドメインの販売サイトで買う方法もあります。当サイト(中古ドメイン販売屋さん)では、スパムリンクで指標を操作したドメイン・違法なサイトに使われていたドメイン・二次利用されていたドメインを仕入れの段階で除いています。累計50万件以上の販売で返品は0.01%未満で、そのうえでインデックス保証と手動対策の返品保証を付けています。

自分のドメインをドロップキャッチされないための対策

自分のドメインを取られないための4つの対策:自動更新にして期限を管理する、登録の連絡先のメールアドレスを最新にしておく、使わなくなっても登録を続けることを考える、手放すなら前もってメールアドレスやアカウントを整理する

ここからは、ドメインを持っている側の話です。更新し忘れたり、要らなくなって手放したりしたドメインも、ドロップキャッチの対象になります。

手放したドメインが第三者に登録されると

JPRS は、廃止したドメインが関係のない第三者に登録されたときのリスクとして、次のようなものを挙げています。

  • 残っているリンクや検索エンジンの評価を当てにして、元のサイトとは関係のない内容のサイトに使われる
  • 同じメールアドレスを作られ、元の持ち主を装ったメールに悪用される
  • そのメールアドレスでパスワードの再設定を受け取られ、SNS や Web サービスのアカウントを乗っ取られる

また JPRS は、商標の侵害などドメイン名の紛争処理方針に当たる事情が無い限り、第三者がそのドメインを登録・使用するのを止めることはできないと説明しています。一度登録されてしまうと取り戻すのは簡単ではないため、手放す前の備えが大切です。

取られないための対策

  1. 自動更新にして、期限を管理する:レジストラの自動更新を使い、更新に使う支払い方法が有効かも確かめておきます。担当者が替わるときは、どのドメインをいつまで持っているかを引き継ぎます。有効期限は、当サイトのドメイン情報(WHOIS/RDAP)チェックツールでも確かめられます
  2. 登録の連絡先を最新にしておく:gTLD の更新の案内は、ドメインの登録情報にある登録者のメールアドレスへ送られます(ICANN の ERRP について登録者が知っておくべき5つのこと)。使っていないアドレスのままだと、期限切れの案内に気づけません
  3. 使わなくなっても登録を続けることを考える:JPRS は、トラブルを防ぐのに最も有効なのは登録を続けることだとしています。サイトを閉じた後も、しばらくの間は登録を続けるかどうかを検討しましょう
  4. 手放すなら、前もって整理する:Web サイトやメールアドレスを終了することを前もって知らせる、そのメールアドレスで登録しているアカウントのアドレスを変える・アカウントを削除する、といった準備を、廃止の前に済ませておくことを JPRS は勧めています

まとめ

  • ドロップキャッチは、更新されずに削除されたドメインを、誰でも登録できる状態に戻った瞬間に登録すること。バックオーダーは、その登録の試みをサービスに任せる方法
  • 削除されて再び登録できるようになるまでの流れと期間は、TLD・種別・レジストラ(.jp では指定事業者)によって違う
  • 取得する側は、取れるとは限らず、探すのも調べるのも自分。過去の履歴が残っていることがあり、使い方によっては Google のポリシーや商標の問題になる
  • 削除の時期を追ったり一つずつ調べたりする手間を省きたいなら、中古ドメインの販売サイトで買う方法もある
  • 自分のドメインを取られないためには、自動更新と期限の管理・登録の連絡先の更新・登録を続けることを考え、手放すなら前もってメールアドレスやアカウントを整理する
新人ラッコ
取る側は履歴を調べて、持っている側は期限を管理しておくんですね。
ラッコ先輩
そう。自分の立場に合わせて、できることから確かめていこう。

自分で取得を試みる手間を省きたい場合は、当サイトの在庫一覧から、仕入れの段階で選別したドメインを探す方法もあります。

よくある質問

ドロップキャッチは違法ですか?

削除されて誰でも登録できる状態に戻ったドメインを登録すること自体は、新しくドメインを登録するときと同じ手続きです。
JPRS も、商標の侵害など紛争処理方針に当たる事情が無い限り、第三者による登録・使用は止められないと説明しています。ただし、他人の商品名・サービス名などと同じか似たドメインを、不正な利益を得る目的や損害を与える目的で取得・使用することは、不正競争防止法で不正競争とされています。.jp では、こうしたドメインの取り消しや移転を求める「JPドメイン名紛争処理方針(JP-DRP)」の手続きもあります。個別の事情で判断が変わるため、心配なときは弁護士などの専門家に相談してください。

ドロップキャッチの目的は何ですか?

主に、過去のリンクやアクセス・検索エンジンの評価に関する情報が残っているドメインを手に入れることです。
新しいサイトを早く立ち上げるための中古ドメインとして使う人や、販売する業者がいる一方で、JPRS が注意を呼びかけているように、元の持ち主になりすましたメールなどに悪用される場合もあります。

ドロップキャッチできるまでの期間はどのくらいですか?

TLD・種別・レジストラによって違います。
.com などの gTLD では、有効期限の後の猶予期間(レジストラによる)に加え、削除の後に30日間の請戻猶予期間と5日間の削除待ちがあります。.jp は、廃止されてから汎用 JP ・都道府県型 JP ドメイン名で1か月、属性型・地域型 JP ドメイン名で6か月を過ぎると再び登録できるようになります。

ドロップキャッチで取ったドメインの有効期限はどうなりますか?

新しく登録したときと同じで、登録した期間が過ぎれば更新が要ります。
前の持ち主のときの有効期限は引き継がれません。更新しなければ、また同じ流れで削除され、ほかの人がドロップキャッチできる状態になります。

中古ドメインはすべてドロップキャッチで取られたものですか?

そうとは限りません。
期限切れの後に登録されたもののほか、持ち主から売買やオークションで譲られたものもあります。どの経路で手に入れたドメインでも、購入前に過去の使われ方と被リンクを確かめることは同じです。

仕入れの段階で選別した中古ドメインを、品質保証付きで販売しています