スパム被リンクが急に増えた?SEO業者の営業リンクの仕組みと対処
公開日 最終更新日

評価の低いページから身に覚えのない被リンクが急に数百件も増えたとき、その正体の一つが、SEO業者が自社のサービスを売り込むために多くのサイトへ無作為に張る「営業リンク」です。サイトの持ち主には防げませんが、Google は、どのリンクを信頼するかはたいてい自分で判断できるので、ほとんどのサイトではリンクの否認は要らないと説明しています。
この記事では、営業リンクがなぜ営業になるのかと、当社のサイトに付いた営業リンクの実例と集計をもとに、その仕組み・Google の扱い・対処と、中古ドメインを選ぶときの見方を解説します。
目次
営業リンクはなぜ営業になるのか

SEO業者が見ず知らずのサイトにリンクを張るのは、リンクの評価で検索順位を上げるためではなく、被リンク調査ツールの画面に宣伝文を載せて、SEO 担当者の目に留めるためだと考えられます。
Ahrefs ・ Majestic ・ Semrush ・ Moz などの被リンク調査ツールは、ウェブを巡回してリンクを集め、サイトごとの被リンクの一覧を作っています。こうしたツールで被リンクを調べるのは、たいてい SEO に取り組んでいるサイトの持ち主や SEO 担当者です。調べる先は自社のサイトに限らず、競合のサイトや、購入を考えている中古ドメインなどさまざまです。営業リンクは、この一覧を広告の枠のように使います。
- SEO業者が、宣伝文を入れたページを作り、1ページから数千のサイトへリンクする
- 被リンク調査ツールがそのページを巡回し、リンク先の各サイトの「新しい被リンク」として一覧に載せる
- どこかのサイトの被リンクを調べた SEO 担当者の目に、見慣れないリンクが留まる。リンクの文字(アンカーテキスト)は、そのサイトのドメイン名を差し込んだ宣伝文になっている
- 気になってリンク元のページを開くと、SEO業者のサービスの紹介ページへ転送される
1ページ作るだけで数千のサイトの被リンクの一覧に載り、その一覧を見るのは SEO に関心のある人です。SEO のサービスを売り込む相手としては、絞り込まれた見込み客と言えます。また、順位を上げるためのリンクではないので、リンク元のページの評価が低くてもかまいません。評価の低いページから大量のリンクが張られるのは、このためです。
当社のサイトに付いた営業リンク(後の「実例」の節)でも、アンカーテキストはドメイン名を差し込んだ SEO サービスの宣伝文で、リンク元のページを開くと SEO業者の紹介ページへ転送されました。どちらも、リンクを「ツールの画面で読ませて、開かせる」ための作りと考えると説明がつきます。
身に覚えのない大量の被リンクの正体

新人ラッコ
ラッコ先輩被リンク(バックリンク)を主に扱う SEO 会社などが、自社のサービスを売り込むために、多くのサイトへ無作為に張るリンクがあります。この記事では、これを営業目的の無作為なリンク(営業リンク)と呼びます。次のような特徴があります。
- リンク元が評価の低いページ:1ページから500件・1,000件、それ以上のサイトへリンクしているような、自動で作られたページが多くあります
- 数だけが膨らむ:リンク元のドメインの数を表すBLDが、数百件の規模で急に増えることがあります。一方で、リンク元の評価が低いため、DR などの被リンクの評価の指標はほとんど動きません
- サイトの持ち主には防げない:リンクを張るのはリンク元の側なので、張られる側が止めることはできません
当サイト(中古ドメイン販売屋さん)が仕入れのときに見ている範囲では、こうしたリンクが付いていないサイトのほうが少ないほど広がっています。被リンク調査ツールで見慣れないリンクが急に増えていても、それだけで珍しいことが起きているとは限りません。
実例:当社のサイトに付いた営業リンク

上の画面は、当社(ラッコ株式会社)が運営するラッコID(rakkoid.com)に付いている被リンクを、被リンク調査ツールの Ahrefs で調べたものです(2026年10月時点)。リンク元のページの外部リンクが500件以上のものに絞り、1ドメインにつき1リンクで数えると、531件ありました。
| 項目 | 531件の内訳 |
|---|---|
| 見つかった時期 | すべて2026年9月10日〜29日の約3週間 |
| リンク元のページの外部リンク | 1ページあたり1,150〜9,433件(中央値1,177件)。5,000件以上が230件 |
| リンク元のページの評価(UR)・検索流入 | すべて0 |
| リンク元のサイトの検索流入 | 98.9%が0 |
| リンク元のサイトの DR | 71%(378件)が1未満 |
| Ahrefs の判定 | 530件にスパムの印 |
| リンク元のドメインの種類 | .shop ・ .xyz ・ .store ・ .space ・ .site ・ .online ・ .website など、新しく安く取れるものがほとんど |
リンクの文字(アンカーテキスト)は、531件すべてに「rakkoid.com」が差し込まれた SEO サービスの宣伝文で、そのうち491件は次のような3つのひな形のどれかでした。
- 「rakkoid.com Premium Backlink Building for Higher Google Search Positions」
- 「Need manually vetted profile links? rakkoid.com works with crypto projects across any country you sell in」
- SEO サービスの利用者の体験談のような文
同じ URL の形のページが265のドメインに置かれているなど、1つのひな形を多くのドメインに並べて作られています。当社が頼んだものではなく、防ぐこともできません。約3週間でこうしたリンク元のドメインが531件見つかった一方で、リンク元のページには評価も検索流入もありませんでした。見つかった時期がそろっている理由は、次の節で説明します。
なぜ最近見つかったリンクばかりなのか

上の実例では、残っている531件がすべてこの3週間ほどに見つかったものでした。当社がリンク元のページを確かめた範囲では、営業リンクは次のような流れをくり返していて、これで説明できます。
- ドメイン名を差し込んだ宣伝文で、1ページから数千のサイトへリンクするページを作る
- 被リンク調査ツール(Ahrefs など)がそのページを見つけ、新しい被リンクとして一覧に出す。一覧を見たサイトの持ち主が、リンク元のページを開く
- ページを開くと、SEO業者のサービスの紹介ページへ301リダイレクトで転送される。リンクだらけのページをそのまま見せても売り込みにならないためです
- ツールが次に巡回したとき、ページが転送されているのを見て「リンクが無くなった」と判断し、一覧から外す
- URL を変えて同じようなページを作り直すと、また新しい被リンクとして一覧に出る
ツールの一覧に載っている間だけ売り込めるので、ページは数か月ごとに入れ替わります。そのため、今残っているリンクは、いつも最近見つかったものばかりに見えます。リダイレクトの転送先が SEO業者の紹介ページであることは、当社が実際にリンク元のページを開いて確かめています。
当社のサイトで過去12か月に Ahrefs の一覧から消えた被リンクを見ても、この流れと合う傾向があります。今残っている531件とは別の、すでに消えたリンクの集計で、消えた381件のうち Ahrefs がスパムと判定した294件の内訳です。
| 項目 | 294件の内訳 |
|---|---|
| 消えた理由 | 「ページがリダイレクトされた」が139件(47%)でいちばん多い。次に noindex(36件)、リンクの削除(11件) |
| リダイレクトで消えるまで | 見つかってから中央値で約90日(半数が57〜104日) |
| 見つかった時期・消えた時期 | 2026年5〜8月に179件が見つかり、2026年8〜9月に186件が消えた |
| 今残っているリンクとの重なり | 今の531件と同じドメインは2件だけ。消えたリンクの代わりに、別のドメインのページが新しく出ている |
Google はどう扱うと説明しているか

営業リンクのような身に覚えのないリンクについて、Google の説明と報道は次のとおりです。
Google の否認ツールのヘルプでは、たいていの場合は Google がどのリンクを信頼するかを自分で判断できるので、ほとんどのサイトでは否認ツールを使う必要はないと説明しています。使うのは、スパムや人為的な質の低いリンクが数多くあり、それが手動による対策の原因になっている(またはなりそうな)ときです。
2022年12月のGoogle のリンクスパム アップデートの発表では、AI を使ったスパム対策システム「SpamBrain」で、不自然なリンクの効果を打ち消すとしています。打ち消されたリンクがもたらしていた効果は失われます。
Search Engine Journal の報道によると、Google の検索の担当者も、身に覚えのないスパムのようなリンクは Google のシステムが無視するので、対応は要らないと答えています。
ただし、Search Engine Land の報道では、被リンクのほとんどがこうしたリンクで、ほかに質の良いリンクがほとんど無い場合は、サイト全体が信頼されにくくなるおそれがあるとも紹介されています。
身に覚えのない被リンクが増えたときの対処

新人ラッコ
ラッコ先輩身に覚えのない被リンクが急に増えたときは、次の順に確かめます。
- Search Console の「手動による対策」を確かめる:前の節の否認ツールのヘルプでは、否認ツールを使うのは、スパムや人為的な質の低いリンクが手動による対策の原因になっている(またはなりそうな)ときだとしています。まずは手動による対策が出ていないかを確かめます
- 出ていなければ、営業リンクの否認はたいてい要らない:同じヘルプでは、ほとんどのサイトでは否認ツールを使う必要はないと説明しています。営業リンクはサイトの持ち主には止められず、次々に新しいものが見つかります。ヘルプの説明に沿えば、見つかるたびに否認して追いかける必要はありません。ただし、自分や以前に頼んだ業者が作ったリンクなど、人為的な質の低いリンクが数多くあって手動による対策の原因になりそうなときは、出ていなくても否認を考えます
- 出ていれば、削除の依頼・否認・再審査:同じヘルプでは、否認の前に、できる限りリンク元に連絡してリンクを削除してもらうよう勧めています。消してもらえなかったリンクを否認し、手動による対策の再審査をリクエストします。手順はリンク否認ツールの使い方で解説しています
被リンク調査ツールの数字の見え方にも注意が要ります。営業リンクが増えると、BLD は数百件の規模で増えることがありますが、リンク元の評価が低いため、DR などの指標はほとんど動きません。また前の節のとおり、営業リンクはツールの一覧から数か月で消え、別のページが新しく出てきます。BLD の増減だけを見て、サイトの評価が変わったと判断しないようにしましょう。
中古ドメインを選ぶときの見方

中古ドメイン(オールドドメイン)を選ぶときにも、営業リンクで BLD が多く見えることがあります。営業リンクはドメインの持ち主が作ったものではなく、BLD の数だけを膨らませるので、BLD の多さだけで良し悪しを判断しないことが大切です。
見るのは、営業リンクを除いたときに、どんなサイトからリンクされているか(テーマ・言語・今も運営されているか)です。被リンクのほとんどが営業リンクで、ほかに質の良いリンクがほとんど無い場合は、前の節で紹介した報道のとおり、サイト全体が信頼されにくくなるおそれがあります。
当サイト(中古ドメイン販売屋さん)では、スパムリンクで指標を操作したドメイン・違法なサイトに使われていたドメイン・二次利用されていたドメインを仕入れの段階で除いています。営業リンクは持ち主には防げないため、このうちの「スパムリンクで指標を操作したドメイン」には含めていません。累計50万件以上の販売で返品は0.01%未満で、そのうえでインデックス保証と手動対策の返品保証を付けています。保証の対象は返品の条件のとおりです。
なお、ドメイン詳細ページの被リンク元の一覧では、発リンク(OBL)が500以上のページ、再クロールでリンクの存在を確かめられないもの、特定のパターンのリンクを表示していません。一方で、BL ・ BLD の数は外部のデータをもとにしているため、営業リンクが含まれていることがあります。
中古ドメインのご利用にあたって
中古ドメインの利用は検索順位の上昇を保証するものではありません。また、検索順位の操作のみを目的とした利用(過剰な相互リンク網・無関係なサイトへのリダイレクト等)は、Googleのスパムに関するポリシー(リンクスパム/期限切れドメインの不正使用)に該当し、手動による対策(ペナルティ)を受ける可能性があります。過去の運用内容と関連性のある、利用者にとって価値のあるサイト運営を推奨します。中古ドメインのリスクについて
まとめ
- 評価の低いページから身に覚えのない被リンクが急に増えたときは、SEO業者が営業目的で無作為に張るリンクであることがある。サイトの持ち主には防げない
- 当社のサイトの例では、約3週間で531件のリンク元のドメインが見つかったが、リンク元のページには評価も検索流入も無かった
- 営業リンクは、開くと301リダイレクトで転送され、ツールの一覧から数か月で消えて作り直されるため、いつも最近見つかったリンクばかりに見える
- Google は、ほとんどのサイトでは否認ツールを使う必要はないと説明している。まず Search Console の手動による対策を確かめ、出ていれば削除の依頼・否認・再審査で対処する
- 中古ドメインを選ぶときは、BLD の数だけで判断せず、営業リンクを除いたリンクの中身を見る
新人ラッコ
ラッコ先輩よくある質問
SEO業者はなぜ営業リンクを張るのですか?
被リンク調査ツールの画面に宣伝文を載せて、SEO 担当者の目に留めるためだと考えられます。
Ahrefs などのツールで、営業リンクが張られたサイトの被リンクを調べると、ドメイン名を差し込んだ宣伝文のリンクが新しい被リンクとして表示され、リンク元を開くと SEO業者の紹介ページへ転送されます。検索順位を上げるためのリンクではありません。
営業リンクは否認したほうがいいですか?
多くの場合、否認は要りません。
Google の否認ツールのヘルプでは、ほとんどのサイトでは否認ツールを使う必要はないと説明しています。否認を考えるのは、スパムや人為的な質の低いリンクが数多くあり、それが手動による対策の原因になっている(またはなりそうな)ときです。
検索順位が下がったのは営業リンクのせいですか?
営業リンクのせいとは言い切れません。
Google の検索の担当者は、身に覚えのないスパムのようなリンクはシステムが無視すると答えています。まず Search Console で手動による対策が出ていないかを確かめ、出ていなければ、ほかの原因を探します。
営業リンクを止める方法はありますか?
サイトの持ち主の側から止める方法はありません。
リンクを張るのはリンク元の側なので、張られる側が止めることはできません。営業リンクは作り直されて次々に見つかるため、手動による対策が出ていなければ、見つかるたびに追いかけなくてかまいません。
中古ドメインに営業リンクが多いのは問題ですか?
営業リンクが多いことだけで、問題があるとは言えません。
営業リンクはドメインの持ち主が作ったものではなく、BLD の数を膨らませるだけです。ただし、被リンクのほとんどがこうしたリンクで、ほかに質の良いリンクがほとんど無い場合は、サイト全体が信頼されにくくなるおそれがあるとも報じられています。営業リンクを除いたリンクの中身を見て判断します。
仕入れの段階で選別した中古ドメインを、品質保証付きで販売しています




